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同一性保持権
ご注意 Q&Aはあくまで参考程度でご理解ください。
ちょっとした事実の相違で結論は変わってしまうことがあります。

詳しくは「著作権のひろば」本編などをご覧ください。




K02 プライバシーに配慮して写真を一部切除する行為は同一性保持権侵害になるか

  • ある有名人のスナップ写真を書籍に掲載しようとしたところ、たまたま別の人物が映っていたので、その部分を切除して出版しようとしたところ、写真の撮影者から著作者人格権の侵害であると指摘を受けてしまいました。
  • プライバシーへの配慮のつもりだったので、権利侵害にはならないと思うのですが。

A、 写真の撮影者は著作者であり、著作者人格権の一種である同一性保持権を保有しています。同一性保持権について以下の条文を抜粋します。

  • 第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
    2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
      一 第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項又は第三十四条第一項の規定により著作物を利用する場合における用字又は用語の変更その他の改変で、学校教育の目的上やむを得ないと認められるもの
      二 建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変
      三 特定の電子計算機においては利用し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において利用し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に利用し得るようにするために必要な改変
      四 前三号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変

 書籍出版に際してプライバシーに配慮して、無関係な人の肖像を消したり、目隠しを入れたりすることがあります。このような場合は著作権法第20条第2項第4号の「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変」にあたると考えられるかもしれません。しかしある判例では、このような場合であっても同一性保持権侵害が成立すると判断した事例もあります。芸術性の薄いスナップ写真だからといって安易に無断改変をすることは、出版活動などにおいて差止めなどの処分を受けて致命的な損失が生じかねませんから、面倒ではありますが撮影者から同意を得るよう努力してください。出版だけでなく、テレビ放送やWEBでの掲載においても注意が必要です。


 




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